ロビ族による鉄のゾウの人形です。 無駄がなく、かといって単純でもない、このまたとないかたちは飽きることがありません。鉄の板を切り抜いた平面図のような立体です。 体が薄いので、一見すると平面のようですが、体は四本の足で自立しており、古代エジプトの壁画にみられる二次元と三次元が入り交じったような面白さがあります。 ロビ族の造形物にはゾウ、カメレオン、蛇や鳥、カモシカといった動物がよく登場します。ゾウは、アフリカの他部族の仮面や彫像にもたびたび登場し、その大きな体から王族や権力者のシンボルにもなっていました。かつて象牙は奴隷貿易と並び盛んに西欧諸国へ売買され、権力とゾウは切っても切れない関係でした。