ブルキナファソのモシ族によるオウムの頭上仮面です。仮面に広がる鱗紋のような柄が造形の面白さを引き立てています。仮面にはダンサーの顔を覆う植物製のフリンジも付いています。※ご不要の方は、備考欄にその旨をご記入下さい。 この仮面は、重要人物や首長の葬式の儀式における仮面舞踏で使用されます。この地域の葬儀は首長や年配者のためだけに執り行われます。死者が村で政治的地位が高い人物の場合、儀礼は数日から数週間も続けられます。 ひとくくりにモシ族といっても、単一の民族ではなく、2つの異なる民族集団からなる人々です。もともとその土地に住んでいた先住民と、15世紀に侵攻し先住民を支配した民族がおり、前者が宗教的権力を、後者が政治的権力を握っています。 その昔、勢力を拡大したモシは、各地にモシ系王国を築き、それぞれが独立し自治権を持っていました。征服の過程で先住民との混交も進み、今のように「モシ」のくくりの中にさまざまなものが同居する状態になりました。そのため、モシの仮面にはがらりと異なる性質の造形がみられます。この仮面の黒、赤、白の彩色は、先住民系モシの仮面にもよくみられる手法です。