マリのバンバラ族による「チワラ」というカモシカの頭上面です。バンバラ族は豊かな芸術文化を持ち、仮面や彫像をはじめ 伝統音楽、染織などで独特の存在感を放っています。 チワラの仮面には雄と雌があり、農耕祭の仮面舞踏でペアで使われます。地域によってチワラのかたちは異なり、こちらは縦長タイプの雌にあたります。顔には装飾の金属板が巻かれ、足下には革のフリンジがついています。流れるような体の線が実にのびやかです。 本来、雌は背中に子供をのせていますが、この仮面はその一部がない状態で、左の角の先端にも欠けがあります。ご理解の上お買い求め下さい。 バンバラの神話で、カモシカは農耕をもたらした動物とされ、祭のダンスには畑を耕すしぐさが取り入れられています。農耕民であるバンバラ族にとって、農耕は生きること。大地と深くつながるバンバラの人々の祈りが込められた仮面です。