(日本語) ナイジェリアのイボ族による「オボド•エニィ」と呼ばれるゾウの仮面です。最も畏れられる強力な精霊(オボド•エニィ)を表すため、力の象徴であるゾウの姿が用いられたと言われています。この独特な仮面は北東部のイボ族の地域で見られます。 実物のゾウに比べ、仮面のそれは極端に抽象化•幾何学化されているため、ぱっと見てゾウには見えませんが、よくよく見るととても短いゾウの鼻や、円錐形の象牙がかたどられています。この造形はゾウの頭蓋骨にもよく似ています。後部には菱形の面から飛び出した人間の頭がついています。この仮面は彼らが素晴らしい造形感覚の持ち主であることを表しています。 踊り手は、この仮面を帽子のように頭にのせて着用します。そのままだと踊り手の顔が見えてしまうので、仮面の縁にラフィア繊維をびっしりつけて顔を隠したり、植物繊維でできた頭からすっぽり被る装束を身に着けます。その姿はまるで、異世界の住人のようです。